仏像の手の形、その意味するものとは?お寺巡りが100倍楽しくなる「印相」の世界


お寺や美術館で仏像を見たとき、その手の形が一体何を意味しているのか、気になったことはありませんか?仏像は、ただの彫刻ではありません。その表情や持ち物、そして手の形(専門的には印相といいます)には、仏様の教えや慈悲の心が込められています。

この記事では、仏像がしている手の形、印相の種類とその意味を分かりやすく解説します。これを読めば、お寺巡りや仏像鑑賞がもっと奥深く、意味のあるものになること間違いなしです!


そもそも「印相」って何?仏像がしている手の形とその意味

印相(いんぞう)とは、仏様が悟りを開いた時の境地や、人々に教えを説く様子を象徴的に表した手の形のことです。仏像の種類によって決まった印相をしていることが多く、この手の形を見分けることで、どの仏様なのかを知る手がかりにもなります。


【代表的な印相】これだけは知っておきたい5つの手の形

ここからは、お寺でよく見かける代表的な印相を5つご紹介します。それぞれの印相が持つ意味を知れば、仏像に込められたメッセージが読み取れるようになりますよ。

1. 禅定印(ぜんじょういん)

  • 手の形:両手を組み、手のひらを上にして重ね、両手の親指の先を合わせる形。

  • 意味:深く瞑想し、悟りの境地に入っている姿を表します。

  • この印相の仏様阿弥陀如来がこの手の形をしていることが多いです。静かに目を閉じ、安らかな表情で座っている仏像を見かけたら、この印相かもしれませんね。

2. 施無畏印(せむいいん)&与願印(よがんいん)

この2つの印相は、セットで表されることがよくあります。

  • 施無畏印

    • 手の形:右手を肩の高さまで上げ、手のひらを前に向けて指を伸ばす形。

    • 意味:人々の不安や恐怖を取り除き、「怖がらなくても大丈夫だよ」と励ましてくれる慈悲を表します。

  • 与願印

    • 手の形:左手を下に向け、手のひらを前に向けて指を伸ばす形。

    • 意味:人々の願いを聞き入れ、望みを叶えてくれることを表します。

  • この印相の仏様観音菩薩薬師如来がこの手の形をしていることが多いです。私たちを救済しようと手を差し伸べてくれている姿、と考えると心が温まりますよね。

3. 説法印(せっぽういん)

  • 手の形:両手の親指と人差し指で輪を作り、説法をしているように見せる形。

  • 意味:仏様の教えを説いている姿を表します。

  • この印相の仏様:釈迦が悟りを開いた後、初めて人々に教えを説いた時の姿を表すため、釈迦如来の仏像に多く見られます。

4. 降魔触地印(ごうましょくじいん)

  • 手の形:右手を膝の上に置き、指先で大地に触れる形。

  • 意味:釈迦が悟りを開く直前、悪魔(マーラ)の妨害を受けた際に、それを退けて悟りを開いた瞬間を表します。

  • この印相の仏様:こちらも釈迦如来の仏像に多く見られます。力強い意志を感じさせる手の形ですね。

5. 智拳印(ちけんいん)

  • 手の形:左手の人差し指を立て、その人差し指を右手で握る形。

  • 意味:宇宙の真理と一体となり、悟りの智慧を得たことを表します。密教の世界観を象徴する印相です。

  • この印相の仏様大日如来の仏像に特有の手の形です。他の仏様とは異なる、独特の神秘的な雰囲気を感じさせます。


まとめ:手の形を知れば、仏像の見分け方がわかる!

いかがでしたか?仏像の手の形印相を知るだけで、仏様の役割や伝えたいメッセージがぐっと身近に感じられますよね。仏像の見分け方としても非常に有効です。

次にお寺を訪れる際は、ぜひ仏像の手の形に注目してみてください。そこには、何百年も前に込められた、深い祈りや願いが隠されているかもしれません。

このブログの人気の投稿

英検S-CBTの合格発表はいつ?結果の確認方法から見方まで徹底解説!

「西」の旧字ってどう出すの?パソコン・スマホ・テプラでの変換方法を解説!

もしかして「過長月経」?長引く生理を止める方法と受診のタイミングについて解説します